トリプルレイ☆彡2 ( エネルギー交流スタート )
出会ってからのトリプルレイくんは
ことあるごとに
わたしに すき!すき!だいすき!と
最大限に表現していた
また、その時期は
日本から来た人たちをアテンドする
機会が重なって
彼にも会う機会が多かった
他の人を交えて話していても
じっとみつめていてウィンクしたり
ちょっかいだしたり
《この人ぼくのダーリンなんだよー》
一緒にいる人に言ったりする
ラインで
《年はいくつ?》と聞かれて
実際の年齢よりもかなり多く
伝えたことがあった
絶句しながらも
年齢は関係ないから!といって
そのあとその話はしなくなったので
すっかり忘れていた
それから数週間たったある日
お店にいたお客さんに
彼がわたしのことを話しているのが
聞こえてきた
《この人ぼくのダーリンなんだけど
76歳っていうんだ いくつだと思う?》
といったら、そのお客さんは
《35くらいかしら》と言った
そのとき
《ひかる!君は何歳?》と聞かれて
とっさに実年齢を言った
《君は僕に嘘ついてたの!
76歳じゃないの?》 と、
叫ぶような声がしたので
《うそ!信じてたの?》と笑ってしまった
彼は
《おかしいなと思ったけど
君は絶対に僕には嘘つかないと思ったんだ…》
と、しょんぼりとしている
たったそれだけのことなのに
衝撃だった
なんでだろう?
自分でもよくわからない
でも、その様子から
絶対的なものを感じている純粋すぎる何かが
わたしのなかにはいってきてしまった!
ラインでのメッセージはラブラブモードで
隠し撮りしたわたしの写メを送ってきて
《この人は僕のガールフレンドなんだよー
今度紹介するね》といったり
《もうこれは愛だー》と
盛り上がっているので
《そんな風に感じることはよくあるの?》
と、きいた
《こんなことないよ。
君がはじめてなんだ!
自分でも驚いているんだ》という
夜遅い時間にビデオ通話でかかってきて
それはさすがに、もう寝てたの!と言って
すぐ切ったけれど
彼とわたしのモードが違いすぎることに
戸惑いもあった
ラブラブメッセージのなかで
《ぼくのガールフレンドになってくれる?》
と聞かれた時があった
《私はあなたには良くないから
いい人を探すといいよ》
と返事をした
《なんで良くないの?》
というので説明した
わたしは深刻な血液の病気があって
この先どうなるかわからない
誰も悲しい思いをしてほしくないから
他にいい人を探して
あなたはやさしい人だから
いい人がみつかるよ
これは本心だった
この頃は
ふたつめの難病が発覚したばかりで
態勢を立て直すのに必死だった
彼に親しみはわいていても
どうにもできなかったし
そういった心情まで
伝えることもしなかった
彼は
《僕がたくさん愛してあげられるのに》
と、書いてきたけれど
しばらくやりとりして
結局は
《わかったよ。これで君は幸せなんだよね?》
と、それからはもう付き合って!
とは言わなくなった
自分で言ったのに勝手だけど
ちょっと寂しい気もしていたが
私にはそれ以外どうしたらいいのか
わからなかった
それからは
ちょっと控えめな表現になったが
それでも彼は愛を伝えてくる
前よりも真剣なまなざしに戸惑いつつも
どぎまぎする瞬間がでてきた
君は絶対に僕には嘘つかないと思った
と言った時
キューピッドの矢が
わたしのハートにささってしまっていた
それに
その気持ちに気がつく前から
いわゆるエネルギー交流は
はじまっていたのだった